仕事で書いたメモ帳の裏

たまに考えたことを、考えたままに書くだけ

SAVE THE CAT ~ 脚本家でもなく、ましては映画好きでなくても役立つ「ハリウッド脚本術」の本 

本日はこちら。

 初回なのに(ほとんどのビジネスパーソンにとって)異色な本、ハリウッド映画の脚本術本です。

 

SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術

SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術

 

   え?いまの仕事に関係ない?はい、間違いなくそうだと思います。ただ、ややこうは考えられないでしょうか

 

ポイント1:脚本が売れるのは、映画が撮影される前・・・

 そして、映画撮影には通常かなりのお金が必要、そして売れる保証は常に無い。つまり、巨額のリスクある投資を決断させる素材であるということです。そこで、勝利を掴むにはどうすればよいのか?それは、「リスクの最小化」であり、この本にはそのノウハウ本と読むこともできます。

 例えば、著者は「主人公の動機は原始的でなければならない」と説きます。例えば「死にたくない」とか「恋愛したい」とか。その理由は、これら生死・本能に属したものにしておけばほとんど人の共感を得られるから、とのこと。

 そうなんですね、映画作りも「ニーズ」や「市場の大きさ」というものを意識しています。あったりまえなんですが、このように「How To化」されるのは解りやすいですね。この他、「葛藤による緊張」などのポイントが示されます。

 ここから、思考を”スライド”させていけば、例えばマズローの欲求モデルと組み合わせてマーケットの取り方のヒントや、「リスクを下げられる急所」などに思いが広がるのではないでしょうか。

 前者は、テレビは「マス」なので「原始的な欲求」に対応する必要があるので、構造的にやや低俗にならざるを得ない。自己実現など高度な要求になると、パイが小さいうえ多様化するのでニッチになる。後者は、本質の探求そのものの重要さへの気付きですね。

ポイント2:物語”性”というのはどの世界も重要

 経営というか戦略本の名著に、こういうものがあります。

 

  思わず人に話したくなるストーリーが戦略の真髄なのだ、という主旨の本。この本の内容はまた別に書きますが、この主旨は

  • 戦略は、面白いストーリーにすべき。なぜなら、実行部隊が理解するからだ。
  • 良い戦略は、面白いストーリーである。なぜなら、面白いストーリーというのは新規性があり、また始まりから終わりまで一貫しているからだ。

という2面性が可能でしょう。つまり、我々も「良い物語の紡ぎ手、語り手」になるべきということですね。そのヒントのヒント、例えば映画の物語には10種類しかないという話、は得られるのではないかと思います。

 

 結論として、この本はある種の教養本で即戦力にはならないのは言うまでもありませんが、書いです。私は新鮮な気付きが得られるました。